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祝 2019年ノーベル化学賞について書いてみた

こんにちは。あさとです。

今日2019年10月9日にノーベル化学賞が発表され、旭化成の吉野彰さんが受賞されました。

僕は大学院は化学専攻ですので一般にの人よりも化学に精通しています。

そこで、今回はこの吉野さんの受賞内容について解説します。

吉野さんの受賞内容はリチウムイオン二次電池の開発です。

リチウムイオン二次電池は、ノートパソコンやスマートフォンをはじめ、様々な電子機器に使用されています。

この電池がなければ、一日に何時間も充電なしにスマートフォンを操作することは不可能でしょう。

今、不自由なく電子機器を使用できるのは間違いなくこのリチウムイオン二次電池のおかげです。

このリチウムイオン二次電池ですが、まさに時代が求めていたものでした。

1980年代に電子機器が普及するにつれて、性能の高い電池が求められていました。

その中で、リチウム電池も開発されました。このリチウム電池は吉野さんらが開発されたリチウムイオン二次電池とは似て非なるものです。

リチウム電池の性能が高いことはわかっていましたが、このリチウムが急に爆発するなどの危険があり、簡単に普及させられるものではなかったのです。

そこで、吉野さんが目をつけたのが、コバルト酸リチウムと呼ばれるものでした。

このコバルト酸リチウムはリチウムを含むので、電池として高い性能を出せる一方、単なるリチウムではないので安全であるという面も持っていました。

このコバルト酸リチウムを電池のプラス側、正極に用いることにしたのです。また電池のマイナス側、負極にもこのコバルト酸リチウムの性能を殺さないように炭素材料を選定しました。

この電池をリチウムイオン二次電池と言います。このリチウムイオン二次電池によって電池の起電力は1.5Vから4Vとなり、高い性能と安全性を併せ持つ電池が完成しました。そして、世の中のニーズにぴったりと合致して爆発的に世界に広がって行きました。このように言うのは簡単ですが、この電池の開発には膨大な時間がかけられています。その裏にはたくさんの情報を仕入れる力とそれをもとに考え続ける忍耐、そしてうまくいかなくても諦めずにチャレンジする根気が必要だと思いました。

 

 

化学というのは人々の生活の根幹を支えているものです。

ノーベル化学賞は人々の生活を大きく変えているものが受賞する傾向があります。

日本人に限って言えば、2008年にノーベル化学賞を受賞された下村脩先生はクラゲが光る原因である化合物を発見し、これが医学の世界で大きな発展になりました。癌などにその化合物を付着させることで手術が格段にしやすくなったようです。また、2014年にノーベル科学賞を受賞した中村修二先生は青色発行ダイオードを発明されました。この青色を作ることが難しかったのですが、見事に開発することによって、光の三原色を全てダイオードで作ることができ、私たちの生活が色鮮やかに光で彩られました。

 

今回、ノーベル化学賞を受賞したリチウムイオン二次電池はまさに我々の生活に直結しているので、ある意味受賞も当然なのかなと感じます。

また最後に予断ですが、2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一さんはグリセリンにコバルトの粉をかけることでタンパク質がイオン化するということを発見されました。田中耕一さんの時も、今回の吉野さんの研究でもコバルトが使われています。

全く根拠はないですが、コバルトとは面白い元素だなと感じています。