影響力の武器 要約
アニメでわかる本のまとめシリーズ、第31回、今日はロバート・チャルディーにさんが書かれた影響力の武器を紹介します。
ロバート・チャルディーニさんはアメリカを代表する社会心理学者で、影響について多くの業績を残している方です。
詐欺師がどうして、人を騙せるのか、人を動かせる人は何をしているのか?
そんなことがわかるヒントがこの本の中にあります。
もし人の心を動かして、行動を起こさせるような仕事をしている人はこの本を読んでみることをお勧めします。
さて、今回の動画はそんな人を動かす方法ではなく、あなたが人に騙されない方法という観点でこの本を説明します。
自分は騙されないと思っているあなた、きっと誰かに騙されていることがあります。
そして、人に騙されないためには、騙す時に人がどのような方法をとっているのかを知っていることが大事です。
この本で説明されている人が動かされる要因は6つあります。
それらを知っていることで、あなたが何かの行動を起こさせられそうになった時に、その行動が人を動かす要因によるものなのか、自分の意思によるものかを客観的に判断できるようになると思います。
最初にお伝えすることは、あなたの決断はあなたがよく考えた末の結果でないことがよくあるということです。
どういうことか具体的に説明します。
あなたが図書館の中にあるコピー機の前に並んでいたとします。
前の人のコピーが終わり、次は自分の番、そう思った時に後ろから声をかけられました。
すみません、先にコピーを取ってもいいですか?急いでいるので
こう言われたら多くの人は順番を譲るのではないでしょうか?
一方でこう言われたらどうでしょうか?
すみません、先にコピーを取ってもいいですか?
これだけだと譲らない人も何人かいるかもしれません。
理由があるかないかで、人の行動は大きく変わります。
研究でも急いでいるという理由をつけられた人はほぼ100%の人が順番を譲るのに対し、理由をつけられなかった人が順番を譲る確率は60%でした。
ただ、これは理由の中身が大事なのではなく、~ので、という言葉が大事なのです。
どういうことかというと、コピーの列に並んでいて後ろから、
すみません、先にコピーを取ってもいいですか?コピーを取らないといけないので
と言われても人は順番を譲るということです。
コピーを取らないといけないというのはよく考えれば順番を譲る理由にはなっていません。
しかし、実際には93%もの人が順番を譲るという結果が出ています。
これが示していることは、~のでという言葉に人は反応しているということです。
このようによく考えれば変ということであっても、人間はそれに反応して行動してしまうということです。
この考えずに判断してしますというのは今の時代においてとても顕著です。
なぜなら、考えないといけないことが山のようにあるからです。
ただでさえ、毎日洪水のように情報が入ってくるのに、一つずつしっかりと考えていては頭が追いつきません。
自動的な反応は人間が自分を守るために考えた方法かもしれません。
ただ、この反応を悪用する人がいるのも事実です。
だからこそ、こういう無意識の反応が人間にはあることを知っておけば、無意識の反応に対して防御策を取ることができます。
では、このように人を動かす要因を6つ紹介していきます。
一つめは、返報性です。
これはもらったら返さないといけないという心理です。
誕生日プレゼントをもらったら返さないといけないと感じますよね。あれです。
この返報性のすごいところは、嫌いな人からでももらったら返さないといけないと思うところです。
例えば、アンケートのお願いの紙にキャンディがついていたらそれくらいしないといけないかなと思うとか、スーパーの試食をしてしまったら一つくらい買わないといけないかななどと思うことです。
もらったら返さないといけないと思うことは良い面もあるのですが、使われ方によっては自分が気づかないうちに相手の思う壺にはまっていることもあるのです。
二つめは一貫性です。
これは、一度決めたらそれを続けることが良いことだと勝手に思ってしまうことです。
例えば、あるカップルが同棲していたとします。
男性は働かず、ギャンブルばかりしています。
見かねた女性はその男性と別れることにして、その後、他の男性と出会い、結婚の話が進むまでになります。
ここで、前付き合っていた男性がこの女性のところにきて、働くし、ギャンブルもしないからもう一度やり直そうと言います。
女性はこの男性を信じ、もう一度やり直すことにします。
ところが、復縁するとすぐにこの男性は働かなくなり、ギャンブルも再開します。
しかし、女性はもうこの男性と別れることを考えていませんでした。
元に戻っただけであるにも関わらず。
これが一貫性を求める人の心理です。
人は自分が決めたことや起こした行動に一貫性を取ろうとします。
一貫性を持たなくても良いことは客観的にはわかるのですが、自分のこととなると一貫性を取ろうとする心理が働きます。
状況が変わったのに、自分の行動の一貫性を取ろうとしていないか、自分の胸に聞いてみてほしいと思います。
三つめは、社会的証明です。
人は多くの人がとっている行動を正しい行動だと判断する癖があります。
これがよく表れているのがテレビの笑い声です。
本当に面白いかどうかに関わらず、テレビで笑い声が流れていたらあなたも笑ってしまうことがあるのではないでしょうか?
これは他の人も笑っているから、ここは笑う場面だなと勝手に脳が判断しているのです。
みんなやっているとか、多くの人に効果が出ているなどのデータを見せられることで、これは正しいと判断してしまうことがあります。
みんなではなく、自分にとってどうなのか?ということを考えて行動してみましょう。
4つめは好意です。
頼みごとを聞いてあげたいと思うのは、その人のことをよく知っていて、好きな場合です。
特に驚くことではなく、当たり前のことです。
しかし、知らない人でも知らず知らずのうちに好意を抱くことがあります。
それは自分と似ている場合です。
ある調査によると、自分と似ている服を着ている人に署名を求められた場合、似ていない服を着ている人に署名を求められた場合よりも署名をする確率が上がったそうです。
そんな場合でも知らず知らずに好意を抱いているということを覚えておいてください。
5つめは権威です。
これは偉い人の言うことは正しいと感じてしまうことです。
これを示す例がありあます。
ある大学教授がいて、この人はとてもおしゃべりをすることが好きです。
よく空港で人と話すのですが、自分の職業を明かさないときはみんなよく話してくれるのに、自分が教授だと明かすと、みんな頷くだけになるというのです。
あなたも経験があるのではないでしょうか?
自分の行動が相手の肩書きによって決められていないかを自問自動してみると良いと思います。
最後の6つめは希少性です。
これは手に入りにくいものほど、貴重に見えてくるということです。
これも例を見てみましょう。
ある展示品を見て、その商品が実際に手に取りたくなったとします。
店員さんにこの商品はまだありますか?と聞き、これが最後の一つです。と言われると多くの人は勝手しまうのです。
これは商品自体が良いというよりはこれが貴重なものであるという心理からです。
自分はそのもの自体が欲しいのか希少性に惑わされているのか、それを考えられるようになることが自分を守るためには大事なのです。
ではこの動画をまとめます。
まず、人間は自分の意思だけで行動を決定しているわけではなく、要因によって行動を決められている面があるということ。
次に、その要因を知ることによって、自分が動かされるという状況を防ぐことができるということ。
最後にその要因とは、返報性、一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性だということ。
人間が勝手に動かされているとは信じられないかもしれませんが、それは、無意識だからです。
無意識だからこそ、気をつけなければいけません。
これを知ることで、あなたが動かされるのではなく動くときは自分で考えて動くということができるきっかけになれば嬉しいです。
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では、また。