資本主義の歴史から商品づくりを考える中編
資本主義と言われて、なんのことか説明できる人ってそんなに多くないですよね。
資本主義がなんのことかしっかりわかる人はこの動画を閉じて大丈夫です。
よく言われるのは、お金でものを交換しているのが資本主義なんじゃないかというものです。
これはちょっと違いますよね。
お金を使ってものを交換していたのは本当に昔からだからです。
よく言われるのは、昔、山で肉をとっていた人と、海で魚を取っていた人がいました。という話です。
この人たちはたまには他のものを食べたいと思って、魚と肉を交換していたのです。
でも、交換というのは、魚を持っていない人が魚を欲しいと思い、肉を持っていない人が肉を欲しいと思うという両方が成り立たないと起こりません。
これでは不便だということで、お金が作られたのです。
お金があれば、お金を払えば欲しいものをもらうことができるからです。
これで、どちらかが欲しいと思うだけで、お金を払いさえすれば商品、この場合だと肉や魚を買うことができるようになったのです。
お金を使った交換が資本主義じゃないとすれば、何が資本主義なのか、一つの考え方としては、人が生きるために必要なだいたいのことが商品によって作られている社会です。
ここだけ聞くと意味がわからないと思うので、詳しく説明していきます。
昔は全部、自給自足の生活をしていました。
必要な食料は山で狩りをしたり、もう少し文明が進むと農業をしたりして、調達していました。
また、水なんかも川に取りにいっていたのでしょう。
こういう生活だと、生活に必要なことは最低一人でもできますよね。
一方で、現代の生活はどうでしょうか。
これはもう一人で成り立たせるのは不可能です。
ご飯を考えてみても、この動画を見ている人で農業をしている人はごくわずかだと思います。
自分が食べているものすべてを自分で作っている人はいません。
田んぼでお米を作り、畑で野菜を作り、海で魚を釣って、それで毎日暮らしている人はいないですよね。
家事もそうです。
掃除機、洗濯機、冷蔵庫、生きるのに必要なものをあなたは作れますか?
作れないですよね。
じゃあ、今の生活をどうやってしているかというと、すべて商品として買ってきて生活しているのです。
お米、野菜、魚、掃除機、洗濯機、冷蔵庫、すべて売っていますよね。
つまり、これらは商品というわけです。
こう見てこればわかる通り、この世界の歴史を見ると買える商品の種類はどんどん増えています。
特に、産業革命が起こったあたりで大半の生活に必要なものは商品として買えるようになったと言われています。
だから大昔ではなく、この産業革命のあたりが資本主義の始まりと言われているのです。
どうして産業革命の時に生活に必要な大半のものを商品をして作れるようになったかというと、人の労働力を商品として使えるようになったからです。
今の時代でいうサラリーマンができたということですね。
サラリーマンは自分の労働力を市場に持ちこんで、その労働力を欲しいと思った会社が給料というお金を払っているわけです。
どうして会社が労働力を欲しがるのかといえば、労働力を使えば、より簡単によりたくさんの商品が作れるからですよね。
例えば、工場にたくさんの人がいれば昔はたくさんの織物が作れたわけですよね。
つまり労働力という商品を使って、織物という商品を作る。
このように商品を使って商品を作ることができるようになった時が資本主義の始まりです。
この風潮は今も続いていて、資本主義の世の中では取り扱っている商品がずっと増えています。
例えば、お茶。ペットボトルでお茶が売られているのは今の世の中を生きている人からすれば普通です。
でも、ひと昔前のおじいちゃんからしてみれば、お茶にお金を払うなんてありえないのです。
お茶は家で沸かして飲むものだからです。
もっと最近になると水もそうですよね。
ちょっと昔だと水は水道水でいっかという感じだったのが、最近はミネラルウォーターを買うのが普通になってきました。
商品はものだけじゃありません。
結婚も最近は商品になっています。
今はビジネスで結婚する人もいますよね。
周りからの目を気にして、体裁を整えるためにお金を払うから結婚してください。みたいな感じです。
他にもこの時間だけ遊んで欲しいからお金を払って半日だけ友達をしてもらうとか、周りに恋人がいるっていってしまった。お金を払うから一日だけ恋人のふりをして欲しいというようなニーズに応えるサービスもあります。